隔たり

なにをしてもだめな気がしていた。どうしようもなくダサくて。なにをしても。市内の中心部のにぎやかなところへいけば、東京へ出れば。そうでなくても、身近なところでも、探せば。いくらでも私より才能が、容姿が、心が、生活ぶりが、すばらしくて、すぐれていて、そういう人たちがいる。それに比べて自分はどうしようもなくみっともない…などと考えるのが至極ばかげていること、わかっているのに。置かれた場所で咲けと言われるのは腹が立つ、かといってひょいと根っこを引き抜いて咲きたいところへ身を移す勇気ももてないでいる、そういうのがいちばんダサいこともわかっているのに。

SNSの偽のキラキラに騙されるなとよく言うけど、結局偽じゃない本物そのものなひとが普通〜〜にSNSにもたくさんいて、少なくともいるように見えて、いつもいつも実はみじめになっている。本当に〇〇な人はInstagramやらないとかうそじゃん。べつに血反吐吐くほどがんばってお金稼いで贅沢したい!とかじゃないし整形してかわいくなってチヤホヤされたいとか愛されたい!とかも全然ない、ただただ生まれついてそうあってみたかっただけ、努力して手に入れたいものってべつにそういうのじゃないなかったりする。

私は私の人生の選択には多少の後悔を持ちつつもそれなりに誇らしく思っているし、人から見たら大したことないと思うけど自分にとっては大事件みたいなことをいくつかは乗り越えてきた。そういう自負はある。ここですぐ「人から見たら大したことない」とか出てきちゃうところだよなあ。とにかく自分に自信がない。なぜかわからない。ダサい。自分が恥ずかしい。なぜかわからない。普通っぽく振る舞っているくせに自分が普通とは思えない。中学2年生の「自分は特別な人間」感ではなく。全然そんなんじゃないどうしようもないほうで。

部屋をずっと散らかしたままでいるからこんなことを考える。書くのはやめる。やめてくれ。